Classici giapponesi con furigana
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ようねんじだい
幼年時代・晩夏
堀 辰雄
Leggi 幼年時代・晩夏 (ようねんじだい) di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 85.965 caratteri · 169 schermate
そのときはその甥ごさんが一切とり仕切って、こちらへもお見えになりましたが、なにしろ予想外の値にしかならなかったので、その甥が爺やたちによく言って聞かせて、約束の金どころか、殆ど一文もおやりにならなかったようでした。そのときは爺やも奥さんの立場に同情して何んとも苦情を云わずに、その後も昔と変らずに留守を預っておりました。
「が、それ以来、爺やたちは全然収入の目あても無くなった訣ですから、何んで食っているのか、私どもにはさっぱり見当もつきませんでした。それは丁度いま時分のような夏になろうとする頃で、一方では日向さんの別荘を買いとるや、すぐ新しい普請をしだして、どんどん元の古い家は取り壊しはじめていました。爺やたちの住んでいた小家の方は、そのとき一しょにお売りにならなかったので、昔のまま日向さんの所有になっていましたが、夏の借り手は私どもの世話でもう去年の秋からきまっていましたので爺やたちはどうする気だろうと思っていますと、或日、爺やたちは取り壊した別荘の古材木や古ブリキなぞを少し分けて貰って来て、裏の五坪ほどあった空地へもってきて、自分たちの手で掘立小屋のようなものを建て出しました。