Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとスクリュウ

幽霊と推進機

夢野 久作

Leggi 幽霊と推進機 (ゆうれいとスクリュウ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.905 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

違うことを知っていたので、停泊中の二三日ばかりは頗る神妙にして、水夫長の室に小さくなっていた。

香港を出てから二日の間、コレダケの人間が皆揃って食堂に出た。つまり私を入れた都合六人の上級船員が、一番先に食事をするのであったが、阿片を積む船だけに相当美味い物が喰えた。

食堂は水夫長の室の前に在った。別に広くもなく、綺麗という程でもなかったが、通風の工合がよかった上に、馬鹿に贅沢で安全な石油ランプが一個、中央にブラ下がっていたから、その下で六人が、夜遅くまで、酒を飲みながらトラムプをやった。むろん手剛い相手は一人も居なかったが、新顔の私が交っているので皆スバラシク気が乗っていた。おまけにワイシャツの背中にまで札束を落し込んでいた私は、出来るだけ景気よく負けたり勝ったりしてやったので、スッカリ英雄扱いにされてしまった。

ところが三日目の昼の食事が始まると間もなく、給仕の黒ん坊が眼の球をクルクルまわしながら重大な報告をした。水夫の中で二人病人が出来た。熱が非常に高くて苦悶しているというのであった。

背の高い、色の黒い船長は、静かにナイフを置きながら二人の水夫の名前を聞いた。