Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆうれいとスクリュウ

幽霊と推進機

夢野 久作

Leggi 幽霊と推進機 (ゆうれいとスクリュウ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.905 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

散々パラ罵倒して、二度と俺の顔を見られないくらい恥を掻かしてくれたもんだが、それでも野郎等、反抗もしなければ船を降りもしなかった……ノメノメと船長のポケットにブラ下って帰って来やがった……アンナ奴は船乗仲間の面よごしでこの船の穢れになるばかりだ……船長もヤキが廻ったらしいからこの船もオシマイだろう……俺がオン出るか船長をタタキ出すか二つに一つだろう……今に見ろ……ドウスルカ……」

……といったような事を喘ぎ喘ぎ云いながら水夫長は、寝台の上に引っくり返って、ブランデーをガブガブと喇叭飲みにしていた。

そうした事情がアラカタわかると、私はソッと室を辷り出た。この仲裁は場違いだと思ったから……。

船長はまだ食堂に残っていた。自分の椅子に反りかえってマドロスを吹かしながら、マジリマジリと天井のランプを仰いでいたが、私が傍を通っても眉一つ動かさなかった。もしかすると病人の処置を考えていたのかも知れないが、とにかく薄気味が悪い人間だと思いながらソッと甲板に出た……と……同時に素人ながら、これはと気が付いた。

一時間ばかり前までカラカラに晴れ渡っていた空が、いつの間にか蒸し暑い灰色に掻き曇って来て、油を流したように光る大ウネリが水平線の処まで重なり合っている。