Classici giapponesi con furigana
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にじ
彩虹
山本 周五郎
Leggi 彩虹 (にじ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.898 caratteri · 28 schermate
七
伊兵衛は片手を膝に置いて云った。
「……先頃から世間に妙な評判が立っている、年貢、運上、一律半減、家臣一統の扶持を表高に復帰するという、あの風評が其許の手から出ているというのは事実か」
「ほう、来たな」
宗之助はにやっと笑った。
「……それは樫村伊兵衛の質問か、それとも筆頭年寄としての問か、どっちだ」
「今のところは古い友人として訊くことにしよう」
「ではその積りで答えるが、ああいう評判を撒いたのはいかにもおれだ、それについてなにか意見があるのかね」
「おれの意見はあとだ、風評が其許から出たとすると、それにはそれだけの根拠があるのだな」
七
「ある」
宗之助はうなずいた。
「……おれが国老の座に坐ればあのとおり実行する」
「それで藩の財政が成り立つと思うか」
「そうとう窮屈なことはたしかだな」
「しかもなお実行する必要があるのか」
「そのこと自体は必要じゃない、むしろ一つの手段だといっていいだろう」
「脇田政治の前ぶるまいか」
「痛いところだ」
宗之助は平然と笑った。
「……たしかにそれもある、活きた政治を行うためにはまず家中領民の人望と信頼を掴まなければならない、家中の士にとっては扶持、領民にとっては租税、この二つは直接生活に及ぶもので、政治に対する信不信も多くここに懸っている、おれはこの二つでおれの政治に対する信頼を獲得するんだ