Classici giapponesi con furigana
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かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Leggi 影男 (かげおとこ) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.133 caratteri · 310 schermate
須原は懐中電灯を点じて、死体に近づいていったが、電灯の丸い光があおむきに倒れた影男の顔を照らすと、思わず、「ウーッ」とうなって、あとずさりした。ピストルのたまは顔面に当たって、顔一面がどろどろした赤い液体でおおわれていたからだ。
しばらくためらっていたが、光を顔に当てないようにして、また近づいていった。そして、死体のそばにしゃがんで、胸に手を当ててみた。鼓動はとまっていた。念のために右の手くびをおさえてみたが、そこにも脈はまったくなかった。
「あっけないもんだなあ。さすがの悪党も、これでお陀仏か。ウフフフ、じゃあ、これからきみのおさしずに従って、絶対に処罰されない手段にとりかかることにするよ」
須原は死体はそのままにしておいて、おもやに引き返し、どこかへ電話をかけた。そして、勝手元から一枚のござを捜し出すと、それを持って、林の中へはいっていった。死体を動かすまでそれをかぶせて、おおい隠しておくためである。
それから十分ほどして、ひとりの男がおもやの玄関へはいってきた。殺人会社の重役のひとりが、近くに待機して、須原の電話を待っていたのだ。その男は四十ぐらいの、やせて背の高い男で、わざと労働者のような服装をしていた。