Classici giapponesi con furigana
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おうまじるしはいしゃく
御馬印拝借
山本 周五郎
Leggi 御馬印拝借 (おうまじるしはいしゃく) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N1. Tocca una parola per il significato.
N1 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.483 caratteri · 43 schermate
二
夢のようでもあり、通り魔にも似ていた、信夫は喪心した者のように暫くはそこへ立ち竦んだままだったが、やがて口のうちで「はい……」と呟き、その声で愕然と眼をみひらいた、……いいえ違います、違います虎之助さま、こえを限りにそう叫びたかった、しかしもう遅いのである、一転瞬のうちにすべてが崩壊し去った、たったひと言の「はい」が運命を変えた、そのひと言はとり返しようがないのである。信夫はひしと眼をつむり、そこへくたくたと膝をついてしまった。
二
どこかに月明りでもあるような仄白んだ夜空から、こまかい霧粒のような雨が音もなく降りしきっている、五日あまり少しの霽れ間もない霖雨だったが、どうやらもうあがりそうなようすで、山の背のほうではしきりに風のわたる音がしていた。あまり深くはないが、山峡の傾斜のひどい道で、そのうえ両がわから蔽いかぶさる灌木の繁みに塞がれているため、一列になった兵たちの一人ひとりが、その枝葉を押しわけて登らなければならなかった。……源七郎は先頭にいた、藪沢という所を過ぎてからは隠密挺進を命じてあるので、兵たちはみなしわぶきひとつせず、滑りやすい