Classici giapponesi con furigana
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ふっかつさい
復活祭
久生 十蘭
Leggi 復活祭 (ふっかつさい) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.018 caratteri · 23 schermate
あれの顔をひと目見さえすれば、この船ですぐアメリカへ帰る。そういうわけだから、ひとつ頼む」
「川さん、それはどういう話なの」
「小原はユウのファザアだ。それでミイがいった。親子の名乗りもしないで、三十何年おっぽりだしておいて、いまになって顔を見たいもあんまりいい気なもんじゃないか。オブセッションも糞もあるかときっぱり断った。すると明けて昨日の朝、ウイルソン号が復航で上海から入ってきた。運悪くミイの当番で、仕様事なしに船へ行くと、小原の野郎がまた出てきてしきりに口説く。いろいろ船できいてみると、なるほどと思われるふしもあるんだ。繩張りを捨てて身一つになったというのは嘘じゃないらしい。いくらかでも金があったら、あの洒落者がこうはしまいと思われるようなたしかな証拠も見た。横浜にいる二日、上海での二日、一歩もキャビンから出なかったとキャビンボーイがいっていた。ユウに逢うだけの一本槍でやってきたというのは本当らしい。好かないやつだが、そうまでして来たものをと思うと、無情ないこともできない。じゃまあ連れてきて逢わしてやろう。だがあれはいま、それこそ肉親の悪因縁から離れて、落着いて暮しているんだから、心を乱すようなことをいってもらってはこまるんだ。