Classici giapponesi con furigana
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びしょう
微笑
横光 利一
Leggi 微笑 (びしょう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.911 caratteri · 50 schermate
「それで、栖方の歩いたところへは、皆にそう云うよう、という話でしたから、お宅へもちょっとそのことをお伝えしたいと思いましてね。」
一撃を喰った感じで梶は高田と一緒にしばらく沈んだ。みな栖方の云ったことは嘘だったのだろうか。それとも、――彼を狂人にして置かねばならぬ憲兵たちの作略の苦心は、栖方のためかもしれないとも思った。
「君、あの青年を僕らも狂人としておこうじゃないですか。その方が本人のためにはいい。」と梶は云った。
「そうですね。」高田は垂れ下っていくような元気の失せた声を出した。
「そうしとこう。その方がいいよ。」
高田は栖方を紹介した責任を感じて詫びる風に、梶について掲っては来なかった。梶も、ともすると沈もうとする自分が怪しまれて来るのだった。
「だって君、あの青年は狂人に見えるよ。またそうかも知れないが、とにかく、もし狂人に見えなかったなら、栖方君は危いよ。あるいはそう見えるように、僕ならするかもしれないね。君だってそうでしょう。」
「そうですね。でも、何んだか、みなあれは、科学者の夢なんじゃないかと思いますよ。」高田はあくまで喜ぶ様子もなく、その日は一日重く黙り通した。