Classici giapponesi con furigana
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こころのかわ
心の河
宮本 百合子
Leggi 心の河 (こころのかわ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.442 caratteri · 37 schermate
さよにとって悲しいことは、これ等の気持を、洗いざらい良人に打ち明けられないことであった。黙って、独りで何か解答を見出さなければならない。それも、二人でではなく、自分だけが何とか変化しなければならない――さよは、保夫が彼自身の平々凡々にはまるで気がつかないのを知っていた。また、彼女が何とか云ったところで、決して素直に十七八の青年のように自らを顧みて涙を落すような質でもないのを知っていた。保夫は、さよから見ると、かんじきを足につけて生れて来た人のように思えた。かんじきは、どんな深い雪の上を歩いても、決して彼を溺らせたり立往生をさせたりはしない。彼女は、自分の足にそんな重宝なものがついていないことを見出した。それ故、彼の行く道を跟(つ)いて行こうとすると、あがきがつかない程、ずぶりずぶりと潜り込む。最後の目当ては一つとしても、さよは、自分の道具がついていない足にかなう路をさぐり出さなければならないのを感じた。これが無形な心の問題であるだけ、良人は、彼女がもう二進三進(にっちもさっち)も行かなくなって、泣きかけで佇んでいるのを知らなかった。彼女がよしそれを訴えたとしても、かんじきのある彼は、彼女がそれを持たないことを思わず「そんなことがあるものか。