Classici giapponesi con furigana
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こころのしらべ
心の調べ
宮城 道雄
Leggi 心の調べ (こころのしらべ) di 宮城 道雄 (みやぎみちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.958 caratteri · 66 schermate
それは同じ曲を何日もかかって弾くのである。昔の人は万遍弾きといって、お宮のお堂に立て籠って徹夜で弾く。眠くなると、箏を弾いている姿勢のままで、うつむいて寝てしまい、目が醒めるとまた、弾き出すのである。こういう風に、昔の人は私たちよりも、まだ一層厳しい稽古をしたのである。
私は十四歳の時に、父から呼ばれて朝鮮へ渡った。私が朝鮮に行ってからは、誰も教わる先生がなかったので、私は毎日、自分の師匠から習った曲ばかりを弾いていたが、しかし、それだけではどうも私には物足りなかった。
その頃、私たちは仁川に住んでいたのである。丁度、私の家は小学校の下にあったので、私は学校の生徒が歌う唱歌や西洋の音楽などが聞こえて来るのを楽しみにしていた。それからまた、家の前が原っぱになっていたので、色々自然の音も聞くことができた。雨の音や霧の音などを聞いて自然の音を楽しみ、その中から得た印象によって、それを基にして、何か作曲してみたいと思っていた。丁度その折、私の弟がいつも読んでいた読本の中に、水の変態というのがあって、それは七首の歌によって、水が霧、雲、雨、雪、霞、露、霜と変って行くことが詠まれていたのである。