Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
「しんりしけん」じょ
心理試験
小酒井 不木
Leggi 心理試験 (「しんりしけん」じょ) di 小酒井 不木 (こざかいふぼく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 96.338 caratteri · 197 schermate
三
ある時、一人の患者は、腰から下が石になったといい出した。
そう信ずるなり、彼は脚を上げることも出来なければ、また歩くことも出来なかった。
助手たちは、何とかして彼を歩かせようとしたけれども、すべての試みは無駄であった。せめて片一方の脚だけでもあげさせることが出来れば、石になったという信念を打ち破ることが出来るからと思って、色々苦心して見たが、少しも成功しなかった。
「君たちは、患者の脚を上げさせて、患者の信念を打ち破ろうとするからいけない。先ず患者の信念を別の信念に置きかえて、脚を上げさせ、次でもとの信念を破るようにすればよい。精神病治療にあっては、すべての妄想は他の妄想をもって打ち破る外はない」
こう博士に諭されても、助手たちは如何なる妄想を患者に起させてよいかわからなかった。
「よし。では、患者をここへ運んで来たまえ」と、博士は言った。
やがて患者は石のごとく運ばれて来た。博士は助手や看護人を去らしめて患者と二人きりになり、催眠術をかけて、患者の妄想を、他の妄想に置き替えた。
「これで、脚を上げるようになるよ」
博士は人々を呼び入れて、患者を運び去らせながらこう言った。