Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいきじんぞうとう

怪奇人造島

寺島 柾史

Leggi 怪奇人造島 (かいきじんぞうとう) di 寺島 柾史 (てらしままさし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 43.159 caratteri · 87 schermate

Aozora Bunko

はじめ二十余人もいたが、二月ののちには、数人より残らなかった。波にさらわれて姿を消した者、食料が尽きて餓死した者、運命を呪って、みずから海に投じて死んだ者……。生残った者といえども、今では、死人も同様だ。

生残った数人のうちでは、僕は一番元気だった。若いせいもあるが、日本人の頑張りから、歯を喰いしばって今日まで生きて来たのだ。

僕のほかに、数人の技術員が、まだ生残っているが、もう明日にも、方船から辷り落ちて、海底へ沈んでゆくかも知れない。それほど、力弱っている。一番元気なのは僕だが、一番弱っているのは、老博士だ。博士は、漂流中に真先にまいってしまったが、僕は、身命を賭して、老博士の身を護っているので、きょうまで生きて来たのである。

「山路君……わしはもう駄目じゃ。極度の疲労で、はやく死にたい」老博士は、こう哀しく叫んだ。

「いけません。元気を出しなさい。僕がついていますよ」

「いや、わしのような老体を、かばっていては、君も死んでしまう。わしにかまわずに、君はあくまでも生きてくれ」

「いや、博士が死ねば、僕も死にます。人造島で約束したじゃありませんか。死ぬときは、一緒に……と」