Classici giapponesi con furigana
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かいいくらやみまつり
怪異暗闇祭
江見 水蔭
Leggi 怪異暗闇祭 (かいいくらやみまつり) di 江見 水蔭 (えみすいいん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.923 caratteri · 26 schermate
あいつ真に甲州へ絹の仕入れに行き、江戸へ帰るべく今夜布田に泊る者とすれば、もうこの土地に姿を見せぬはず。もしあいつが暗闇の前後に、まだ府中の土地を踏んでいるとすれば、もう確かだ。引捕えて白状さして、今度はこっちから鼻を落してやると、源八郎はそういう決心をして、酒は一升で打ち切り、勘定済まして立場茶屋を出た。
まだ神輿出御の刻限には間があったので、源八郎は群集を避けて、本社の背後へと廻って見た。
有名な乳房銀杏から後には杉松その他の木が繁っていて、昼も暗いくらいだから、夜はまだ燈明を消さぬ間から暗いのであった。
源八郎にはしかし、少しもそれが暗くないのであった。透せば朧気に立木の数も数えられるのであった。源八郎の眼は長沼正兵衛すらも驚いているのであった。
小机源八郎は、武州橘樹郡小机村の郷士の子で、子供の時に眼を患ったのを、廻国の六十六部が祈祷して、薬師の水というのを付けてくれた。それで全治してから後は、不思議に夜目が利くようになったのであった。
野獣の眼が暗夜に輝くという、そこまでには至らずとも、とにかく普通の者に比べると、薄々ながら見えるのであった。