Classici giapponesi con furigana
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きょうふのくちぶえ
恐怖の口笛
海野 十三
Leggi 恐怖の口笛 (きょうふのくちぶえ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 60.713 caratteri · 122 schermate
それを囲んで二人の人物が、熱心に頭と頭とをつきあわさんばかりにしていた。一人は白い手術着を着て、メスだの鋏だのを取りあげ、屍体の咽喉部を切開していた。もう一人は白面の青年で、形のよい背広に身を包んでいた。この手術者は法医学教室の蝋山教授、白面の青年は西一郎と名乗る男だった。そこまで云えば、台の上に載った屍体が、吸血鬼に苛まれた第一の犠牲者である西四郎のものだということが分るであろう。
「どうも素人は功を急いでいかんネ」と蝋山教授がいった。「やはりこうして咽喉から胸部を切開して食道から気管までを取出し、端の方から充分注意して調べてゆかなけりゃ間違いが起る虞れがあるのだ。急がば廻れの諺どおりだて」
「時間のことは覚悟をしてきました。今夜は徹夜しても拝見します」
「うん。時刻はこれから午前二時ごろまでが一番油の乗るときだ。君の時刻の選択はよかったよ。しかしいくら弟の屍体かは知らぬが、君は熱心だねえ。もしここから上にあるものならば、必ず君の目的のものを発見してあげるから安心するがいい。イヤどうも皮下脂肪が発達しているので、メスを使うのに骨が折れる。こんなことなら電気メスを持ってくるんだった……」