Classici giapponesi con furigana
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きょうりゅうとう
恐竜島
海野 十三
Leggi 恐竜島 (きょうりゅうとう) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 98.662 caratteri · 199 schermate
そこでラツール氏は、このままにしておいてはよろしくないというので、自ら事務長にかけあって、この所有者不明の……そういうことにして……密航犬を、発見者であるラツール氏自身がかうこと、そしてこの犬の食費として十ドルを支払うことを承知させた。そこでポチは、息苦しい破れトランクの中にあえいでいる必要がなくなって、大いばりで船中や甲板をはしりまわることができるようになった。玉太郎のよろこびは、ポチ以上であったことはいうまでもない。
ラツール記者は、結局十ドルだけ損をしたことになる。しかしそれは、十ドル支払った当ざのことであって、やがて彼はその十ドルが自分の生命を買った金であったことに気がつく日が来るはずである。たった十ドルで生命が買えるなんて、ラツール氏はなんといういい買物をしたことであろう。しかしこのことも、そのときラツール氏はまだ気がついていなかった。
大きな自然のふところにいだかれて、原始人のような素朴な生活がつづいた。あるときは油を流したようをしずかな青い海の上を、モンパパ号は大いばりで進んでいった。またあるときは、ひくい暗雲の下に、帆柱のうえにまでとどく荒れ狂う怒濤をかぶりながら、もみくちゃになってただようこともあった。