Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうぞうのちち

恭三の父

加能 作次郎

Leggi 恭三の父 (きょうぞうのちち) di 加能 作次郎 (かのうさくじろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 9742 caratteri · 20 schermate

Aozora Bunko

」

「うむ権六さか。何うも早や蚊でならんとこと。お前様たちの所は何うや?」

「矢張居って困ったもんじゃ。」

こう言つて家の中を覗いて恭三と浅七の居るのを見て、

「お、お前達は見に行かなんだのか。」

「何を。」と浅七が言った。

「彼等はお前様、昨夜は夜祭を見ね行くし、明日は角力に行かんならんさかい。」

「そうや/\、もう弟様らちは若い衆やさかいの。」

「まあ上らんかいの。」

「えんじゃ、そうして居られん。一寸聞きたいことがあって来たのやがな。」と此人の癖であるが勿体らしく前置きして、「どうや此家の親爺様は帰らっしゃったか。」

「まだや/\、今も其話をしとる所やとこと。」

「そうか。うちの親爺もまだで、あんまり遅いさかい、どうかと思うて来たのやとこ。」

「えーい。そこな親爺様も行ったのかいね。そうかいね、まあ、こりゃ何ちゅうこっちゃ!」

恭三の母は如何にも意外だという風に言った。

「まことね、あんな身体して居って、程のあった、何う気が向いたか出掛けて行ったわいね。」

「必然家の恭さんと一緒に飲んどるんやろう。」と浅七が口を入れた。

「そうかも知れん。」と権六の細君が言って、少し気を変えて、「今年の祭は大変賑やかやったそうな、何でも神輿が二十一台に大旗が三十本も出たといね。