Classici giapponesi con furigana
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あくそう
悪僧
田中 貢太郎
Leggi 悪僧 (あくそう) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5516 caratteri · 11 schermate
寡婦の夫人は愛嬌を湛えて舅を迎えた。
「今朝、鵲が鳴いたと思いましたら、お父さまのお出ましがありました」
「ほう、今朝、鵲が鳴いた」と、老宰相は厳い眼をして夫人の顔を見たが、またおもいかえしたように、「二十年も昔のことだが、盗賊が怖いので、ここの床の下へ玉を埋めてある、それを掘りだして、お前にあげようと思って来た」
「おお、玉を、埋めてある玉を、私にくださいます、それはありがとうございますが、お父さまがお手をくださなくっても、何人かに申しつけましょう」
「いや、こんなことはまちがいの起り安いものだから、乃公がする」
「でも、そんな軽がるしいことは」
夫人は笑顔をして云った。
「好いよ、好いよ、床の板さえ剥げばすぐだから」
「でも」と、云った夫人は急に思いついたことがあるようにさも耻かしそうな顔をして、「お父さま、どうぞ、床をあげることは、ちょっとの間お待ちくださいませ」
「どうしたとお云いだ」
「……私の汚れ物を皆入れてありますから、それを除ける間、ちょっとお母さまのお房でお待ちしてくださいませ、すぐ執り除けますから」
「そんなことは好い、ちょっとそこを退いてくれ」