Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あくむ
悪夢
豊島 与志雄
Leggi 悪夢 (あくむ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.930 caratteri · 32 schermate
酒も飲みたかったし、買いたい書物もあったし、其他いろんな欲望があったが、そのうちのどれを満してやろうかと――さすがに楽しい心地で考え初めた所が、その楽しい心地が一寸向を変えて、自分の心にはっきり映ってきて、自分で自分が惨めになさけなくなり、これだけが一ヶ月の労苦の報酬かと考え、その報酬にうわずった喜びをしてる自分かと考えて、それから自分の日々を眼の前に思い浮べて、堪らなく陰鬱なまた苛立たしい気持になっていった。幸福でも不吉でもいいから、力一杯胸一杯のものがほしかった。余儀なく引きずられてゆくような息苦しい生活は、思っても堪らなかった。そして私は、もう外に出る気もなくなって、その楽しかるべき日曜を、薄暗い三畳の室に寝転んで、疲憊しきった惨めな焦慮のうちに、午後の三時頃まで過してしまった。その時、国許の兄から手紙が来た。「親展」と大書してあった。何事だろう? と咄嗟に考えたが、次の瞬間には、兄はどんな手紙にも必ず「親展」と書き誌す癖があることを思い出して、何だかはぐらかされたような気持になり、別に急ぐでもなくまた急がぬでもなく、封を切って読んでみた。