Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あくじゅうへん

悪獣篇

泉 鏡花

Leggi 悪獣篇 (あくじゅうへん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.715 caratteri · 73 schermate

Aozora Bunko

」

「それだ。なかなか人が悪い。」広い額に手を加える。

「それに、母も、先生。お土産を楽しみにして、お腹をすかして帰るからって、言づけをしたそうです。」

「益々恐縮。はあ、で、奥さんはどこかへお出かけで。」

「銑さんが一所だそうです。」

「そうすると、その連の人も、同じく土産を待つ方なんだ。」

「勿論です。今日ばかりは途中で叔母さんに何にも強請らない。犬川で帰って来て、先生の御馳走になるんですって。」

とまた顔を見る。

この時、先生愕然として頸をすくめた。

「あかぬ! 包囲攻撃じゃ、恐るべきだね。就中、銑太郎などは、自分釣棹をねだって、貴郎が何です、と一言の下に叔母御に拒絶された怨があるから、その祟り容易ならずと可知矣。」

と蘆の葉ずれに棹を垂れて、思わず観念の眼を塞げば、少年は気の毒そうに、

「先生、買っていらっしゃい。」

「買う?」

「だって一尾も居ないんですもの。」

と今更ながら畚を覗くと、冷い磯の香がして、ざらざらと隅に固まるものあり、方丈記に曰く、ごうなは小さき貝を好む。

八

先生は見ざる真似して、少年が手に傾けた件の畚を横目に、

「生憎、沙魚、海津、小鮒などを商う魚屋がなくって困る。