Classici giapponesi con furigana
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あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Leggi 悪獣篇 (あくじゅうへん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.715 caratteri · 73 schermate
何ぞ早や、しるしに残るものを、と言うて、黄金か、珠玉か、と尋ねさっしゃるとの。
その先生様、地蔵尊の一体建立して欲しいと言わされたとよ。
そう云えば何となく、顔容も柔和での、石の地蔵尊に似てござるお人じゃそうなげな。」
先生は面を背けて、笑を含んで、思わずその口のあたりを擦ったのである。
「それは奇特じゃ、小児衆の世話を願うに、地蔵様に似さしった人は、結構にござることよ。」
「さればその事よ。まだ四十にもならっしゃらぬが、慾も徳も悟ったお方じゃ。何事があっても莞爾々々とさっせえて、ついぞ、腹立たしったり、悲しがらしった事はないけに、何としてそのように難有い気になられたぞ、と尋ねるものがあるわいの。
先生様が言わっしゃるには、伝もない、教もない。私はどうした結縁か、その顔色から容子から、野中にぼんやり立たしましたお姿なり、心から地蔵様が気に入って、明暮、地蔵、地蔵と念ずる。
痛い時、辛い時、口惜い時、怨めしい時、情ない時と、事どもが、まああってもよ。待てな、待てな、さてこうした時に、地蔵菩薩なら何となさる、と考えれば胸も開いて、気が安らかになることじゃ、と申されたげな。