Classici giapponesi con furigana
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あくじゅうへん
悪獣篇
泉 鏡花
Leggi 悪獣篇 (あくじゅうへん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.715 caratteri · 73 schermate
」
「海ならあります。ここいらは叔母さん、海岸の一筋路ですから、岐路といっては背後の山へ行くより他にはないんですが、」
「困りましたねえ。」
と、つくづく云う。
「何ね、時刻に因って、汐の干ている時は、この別荘の前なんか、岩を飛んで渡られますがね、この節の月じゃどうですか、晩方干ないかも知れません。」
「船はありますか。」
「そうですね、渡船ッて別にありはしますまいけれど、頼んだら出してくれないこともないでしょう、さきへ行って聞いて見ましょう。」
「そうね。」
「何、叔母さんさえ信用するんなら、船だけ借りて、漕ぐことは僕にも漕げます。僕じゃ危険だというでしょう。」
「何でも可うござんすから、銑さん、貴郎、どうにかして下さい。私はもう帰途にあの店の前を通りたくないんです。」
とまた俯向いたが恐々らしい。
「叔母さん、まあ、一体、何ですか。」と、余りの事に微笑みながら。
四
「もう聞えやしますまいね。」
と憚る所あるらしく、声もこの時なお低い。
「何が、どこで、叔母さん。」
「あすこまで、」
「ああ! 汚店へ、」
「大きな声をなさんなよ。」と吃驚したように慌しく、瞳を据えて、密という。