Classici giapponesi con furigana
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あくりょう
悪霊
江戸川 乱歩
Leggi 悪霊 (あくりょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.980 caratteri · 67 schermate
「躄の乞食が証人に立ったのでしたわね」
と突然妙なことをおっしゃるのだ。
「躄車に乗っていたのでしょう。躄車……ねえ、これ躄車の形じゃないこと。この四角なのが箱で、両方の角が車で、斜の線は車を漕ぐ棒じゃないこと」
「ハハ……、子供の絵探しじゃあるまいし」
先生は一笑に附してしまいなすったが、この奥さんの着想は、僕をびっくりさせた。子供だましと云えば子供だましの様だけれど、女らしく敏感な面白い考え方だ。
「そういえば、乞食だとか山窩などがお互に通信する符号には、こんな子供のいたずら書きみたいなのが色々あった様ですね」
僕も一説を持出した。
「それは僕も考えていた。どうして警察ではその変な乞食を疑って見なかったのだろう。そいつこそ現場附近にいた一番怪しい奴じゃないのかい」
この先生の疑いに僕が答えた言葉は、同時に君の手紙にあった疑問への答にもなるのだ。
「あの乞食を一目でも見たものには、そんなことは考えられないのです。あいつは血腥い人殺しなどをやるには年を取り過ぎています。力のない老いぼれなんです。それに手は片方しかないし、足は両方とも膝っ切りの躄ですから、あいつが土蔵の二階へ上って行くなんて全く不可能なんです。