Classici giapponesi con furigana
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じょういのかんまん
情意の干満
豊島 与志雄
Leggi 情意の干満 (じょういのかんまん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2599 caratteri · 6 schermate
海の潮にも似たる干満を、私は自分の情意に感ずる。
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書物を読み、絵画を見、音楽を聴き、人の話に耳を傾け……而もそれが如何に平凡なものであろうとも、一つの句、一つの色、一つの音、一つの声が、全体の凡庸愚劣卑俗から遊離し昇華して、私の心を打つ。私には全体の見通しがつかず、独立した個々の一部が、偉大なる天才の手に委ねられて、万華鏡の硝子の破片のように――ダイヤのように――閃めく。言葉を信ずべからず、如何なる人の口より発せられたるかを先ず批判せよ、とは真理であるが、ここにはその真理は成り立たない。凡てが誠実の口から発せられる。私の魂は皮膚を剥がれた赤肌である。私は屡々涙ぐんでいる自分をさえ見出す。こういう時私は、批評家ではない。唾棄すべきものをも感嘆するからである。猶更、創作家ではない。反故以下のものをも書きちらすからである。こういう時私は、生活を考えてはいけない。皮相な妥協に甘んずるからである。猶更、社会を考えてはいけない。感傷的な人道主義に陥るからである。私の凡ての精神活動は涙で曇らされる。この涙の曇りを、私はルーソーに見出す。ドストエフスキーに見出す。