Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
おしみなくあいはうばう
惜みなく愛は奪う
有島 武郎
Leggi 惜みなく愛は奪う (おしみなくあいはうばう) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 79.397 caratteri · 159 schermate
八
本当をいうと不純な誠実というものはない。又量定さるべき誠実というものはない。誠実がある。そこには純粋と凡てとがあるのだ。だからお前は誠実を見出したところに勇み立つがいい、恐れることはない。
起て。そこにお前の眼の前には新たな視野が開けるだろう。それをお前は私に代って言い現わすがいい。
お前は私にこの長い言葉を無駄に云わせてはならない。私は暖かい手を拡げて、お前の来るのを待っているぞよ。
私の個性は私にかく告げてしずかに口をつぐんだ。
八
私の個性は少しばかりではあるが、私に誠実を許してくれた。然し誠実とはそんなものでいいのだろうか。私は八方摸索の結果、すがり附くべき一茎の藁をも見出し得ないで、已むことなく覚束ない私の個性――それは私自身にすら他の人のそれに比して、少しも優れたところのない――に最後の隠家を求めたに過ぎない。それを誠実といっていいのだろうか。けれども名前はどうでもいい。或る人は私の最後の到達を私の卑屈がさせた業だというだろう。或る人は又私の勇気がさせた業だというかも知れない。ただ私自身にいわせるなら、それは必至な或る力が私をそこまで連れて来たという外はない。