Classici giapponesi con furigana
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あいとにんしきとのしゅっぱつ
愛と認識との出発
倉田 百三
Leggi 愛と認識との出発 (あいとにんしきとのしゅっぱつ) di 倉田 百三 (くらたひゃくぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 64.420 caratteri · 129 schermate
君と僕との接触に対する意識が比較的不明瞭であって、友情の甘さのなかに無批評的に没頭し得た間はわれらはいかに深大なる価値をこの接触の上に払い、互いに熱涙を注いで喜んだであろう。しかし一度利己、利他という意識が萌したときわれらは少なからず動揺した。惨澹たる思索の果て、ついに唯我論に帰着し、利己主義に到達したる君はまっ蒼な顔をして「君を捨てる!」と宣告した。その声は慄えていた。鋭利なる懐疑の刃をすべての者に揮うた君は、轟く胸を抑えて、氷なす鉾尖を、われらの友情にザクリと突き立てた。その大胆なる態度と、純潔なる思索的良心には私は深厚なる尊敬を捧げる。僕だって君との接触についてこの問題に想到するときどれほど小さい胸を痛めたかしれない。始めから利己、利他の思想の頭を擡げなかったならばと投げやりに思ってもみた。しかしこの思想は腐った肉に聚る蠅のごとくに払えど払えど去らなかったのである。このとき私の頭のなかにショウペンハウエルの意志説が影のごとくさしてきた。
表われた世界は意志の鏡であり、写しである。この世界にあっては時間と空間という着物を着て万物は千差万別、個体として鬩ぎ合ってる。