Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あいのごとく

愛のごとく

山川 方夫

Leggi 愛のごとく (あいのごとく) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.908 caratteri · 210 schermate

Aozora Bunko

と警官はあたりを見まわしながらいった。「こわがっていま報らせにやってきたんだ」

私は、赤い灯のついた小さな交番でしらべられた。もう一人の若い方の警官は、所在なげに手をうしろに組み、雨の降りしきる夜をみつめていた。私はやっと我にかえり、小田富子という女に逢いたいのだといいはってちょっと嘘をついた。「友人が死んで、それを教えに行くところなんです。番地がわからないんだ」

私はけんめいに誠実な顔をつくった。

「それで、もう三時間も、一軒一軒見てまわっていました」

びしょびしょの私をつかまえた中年の警官は、とたんに感動した様子になり、表紙の古ぼけた厚い大型の帳簿を出してきてたずねた。「その女性は、自分の家にいるんかね、つまり、小田という家にいるんかね?」

「そうです。親父さんの家です」口をとがらせて、黒いゴム合羽の中年の警官は指をなめなめ戸籍簿をくりはじめた。「……こう、あこも小田さんだな、代議士さんの妾のとこ」と彼はぶつぶつと口の中でいった。

「オジさん、広島だね?」ついいつもの癖を出して、私はとたんに後悔した。なれなれしい言葉といい快活な語勢といい、その場合、あまり適当なものとはいえなかった。