Classici giapponesi con furigana
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あいのごとく
愛のごとく
山川 方夫
Leggi 愛のごとく (あいのごとく) di 山川 方夫 (やまかわまさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 103.908 caratteri · 210 schermate
「コーリヤでよう、はじまってっだろ? あたいたちねえ、茅ヶ崎がだめになってよ、ここで稼いでたんだけんどよう、さっぱりなんだえ、そいで皆で九州に行くことにしたんだ、あっちは兵隊でいっぱいだってからよう、金も、うんとおとすってからよう」女はトランクを置き、ネッカチーフの風呂敷をゆすり上げた。相模なまりをまる出しにしていた。
「出稼ぎかあ、まあ、うんと儲けな」
かつて自分が女たちに、こんなに親しげに話したことはなかったと信二は思いついた。だが、どうやら、女もそれは忘れていた。
「御連中と、いっしょ?」と、かまわず歩き去る他の女たちに目を投げて信二はいった。「黒の女」は喉をそらせ、蓮っ葉に笑って、一人と高声で話している。「あの端っこの、背の高いの」と信二は赧くなる顔をそむけながらいった。「あいつも?」
「ああ、ユリけえ」女はいった。「仲間よ」
「いつも黒い服を着てたね」女が思い出したようにうなずくのを横目でみて、彼はいった。「いつもいっしょにいたろ? 伍長が」
女は、首をかしげ、「ああ、ヘンダーソンのことけえ、のっぽの、眼鏡かけた、ブロンド」そしてすぐにつづけた。