Classici giapponesi con furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Leggi 我が家の楽園 (わがやのらくえん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 90.195 caratteri · 175 schermate
と百々子が嘆きかえす。
二人は、毎日、焦々しながら、あることを待っている。シュラー氏なる人物がやってきさえすれば、そこは千々子さまのことだから、なんとかうまくやるだろう。結びつくなり、蹴られるなり、どちらかにカタがつき、あてどのない生活から解放されるだろうという期待で、うずうずしていた。
ある日、五十雄君が花のなかにあおのけに寝ながら、れいの、もの静かな調子でつぶやいた。
「この話に、すこし、おかしいところがあるとは思わないか……ヘンリ清水が奉仕をしたがるのは、日本でシュラーの仕事をとりたいからなんだろうが、旅行の日程を、ひとりでのみこんでいることが、腑におちない……シュラーの旅行の目的が、清水のいっているようなものなら、当然、千々子さまのほうへも、通知ぐらいあっていいはずだ。あの話があってから、もう二ヵ月以上になるが、それらしい手紙がきたようすもない……シュラー氏は、ほんとうに日本へ来るのだろうか」
「そのことは、あたしも考えた。でも、国際電話ってものもあるんだし、幸便の長いやつを受取っているのかもしれない。その辺のことは、他人には、わかりっこないんだから」