Classici giapponesi con furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Leggi 我が家の楽園 (わがやのらくえん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 90.195 caratteri · 175 schermate
俺には、皮肉を言われているとしか思えないんだが、そう言われたうえは、どうしたって、ひっこみがつかない。どんなことがあったって、帰らぬわけにはいかんじゃないか」
「そうでしょうか」
「このバラック住まいは、俺にとっても、涙のでるほどありがたいものだったが、それも、住むべき家を接収されたという、国家的な建前があったればこそで、解除になった以上、どう理由をつけたって、これ以上こんなところに住んでいるわけにはいかない……なまじい、下手な工作をしたりすると、腹のなかを見ぬかれてしまう。あきらめて当座の運命に従うほかはない……このハガキに、こう書いてある……個人住宅が旧所有主に返されるときには、新たに、移転料と復帰費用が支払われる。なお、原状回復のため、最高、三ヵ月の賃借料を払う……原状回復というのは、なんのことだかわからないが、三ヵ月の家賃のほかに、移転料と復帰費用をくれるというんだ。どのくらい出すつもりか知らないが、それはそれとして、三ヵ月分の家賃が保証されているわけだから、移るだけは移っておいて、三ヵ月の間に、なんとか方法を考えることにしたらどうだろう」
「あたしの意志がよく通じなかったようですが、明日から、すぐどうなるなんてことを、心配しているわけじゃないんですよ。