Classici giapponesi con furigana
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わがやのらくえん
我が家の楽園
久生 十蘭
Leggi 我が家の楽園 (わがやのらくえん) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 90.195 caratteri · 175 schermate
ミドリさまが、すぐ、あとからいった。
「メードさん、あたしのもそうなの。誤解しないでね……そのモノとはモノがちがうのよ」
メードさんが、しゃくんだような顔で考えこみながら、
「シスターさん、あんた、いま、シュラーの二十八歳の誕生日のプレゼントだといったね。それは、いつごろの話です」
と、たずねた。
「一昨年の冬ごろのことよ」
「あたしのほうも、一昨年の冬よ」
「シュラー・ハークネスは、たいへんなおじいちゃんですよ。それァ百二十八歳の間違いじゃないのかな……シュラーがアメリカへ帰ったのは、一昨年の春だったから、シスターさんがシュラーといっているのは、誰かほかの男だね。それこそ、モノがちがいます」
そういうと、丈夫そうな歯列を見せて、とめどもなく笑った。
それやこれやあって、パンティは千々子さまの手に残ったが、パンティをプレゼントしたひとは、ミドリさまのほうへ行ってしまった。脳膜炎の程度では、狂った頭には追いつけなかったのである。
八月の二十日ごろ、千々子さまと百々子は、濠端にある教会へ、シュラー・ハークネス氏と石田ミドリ嬢の結婚式を見に行った。
タクシから降りると、鐘楼で、騒々しいくらいに鐘が鳴りだした。