Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるおんな

或る女

有島 武郎

Leggi 或る女 (あるおんな) di 有島 武郎 (ありしまたけお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 205.655 caratteri · 406 schermate

Aozora Bunko

なんでも来年に開かれるはずだった博覧会が来々年に延びたので、木村はまたこの前以上の窮境に陥ったらしいのです。若いうちだからいいようなもののあんな不運な男もすくない。金も送っては来ないでしょう」

なんというぶしつけな事をいう男だろうと葉子は思ったが、あまりいう事にわだかまりがないので皮肉でもいってやる気にはなれなかった。

「いゝえ相変わらず送ってくれますことよ」

「木村っていうのはそうした男なんだ」

古藤は半ばは自分にいうように感激した調子でこういったが、平気で仕送りを受けているらしく物をいう葉子にはひどく反感を催したらしく、

「木村からの送金を受け取った時、その金があなたの手を焼きただらかすようには思いませんか」

と激しく葉子をまともに見つめながらいった。そして油でよごれたような赤い手で、せわしなく胸の真鍮ぼたんをはめたりはずしたりした。

「なぜですの」

「木村は困りきってるんですよ。……ほんとうにあなた考えてごらんなさい……」

勢い込んでなおいい募ろうとした古藤は、襖を明け開いたままの隣の部屋に愛子たちがいるのに気づいたらしく、

「あなたはこの前お目にかかった時からすると、またひどくやせましたねえ」