Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるしょうじょのしまで

或る少女の死まで 他二篇

室生 犀星

Leggi 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.554 caratteri · 228 schermate

Aozora Bunko

「いけませんよ。落ちたら大変だからおよしなさい。」

勝気なお孝さんはきかなかった。

「大丈夫なのよ姉さん。」

石垣の下は蒼い淵になって、その渦巻いた水面は永く見ていると、目まいを感じるほど気味悪くどんよりと、まるで底から何者かがいて引入れそうであった。

私も危ないと思った。

「いけない。此処へ来ちゃ。」

彼女は楓の根許をつたって、とうとう本堂の側面の裏へ出た。

「あたし平気だわ。あんなところは。」

私はからだが冷たくなるほど驚いたが、案外なので安心をした。

ここから姉のいるところは見えなかった。この堂裏にはいろいろな絵馬額のコワれたのや、提灯の破れたのや、土製の天狗の面や、お花の束や、古い埃で白くなった材木などが積まれてあった。

冷たい腐ったような落葉の匂いがこもっていた。

「あのね。さっきのね。あたしがすきか、おねえさんが好きかどっちが好きか、はっきり言って頂戴。どっちも好きじゃいやよ。」

私はびっくりしてお孝さんの顔を見た。お孝さんは泣き出しそうなほど真面目な顔をしていた。小さい額に小まちゃくれた皺をよせて、私の顔を仰ぎ見ていた。

「お孝さんが好きだ。