Classici giapponesi con furigana
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あるしょうじょのしまで
或る少女の死まで 他二篇
室生 犀星
Leggi 或る少女の死まで 他二篇 (あるしょうじょのしまで) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 113.554 caratteri · 228 schermate
を見たとき、私はかっとなった。血がみな頭へ上ったように、耳がやたらに熱くなるのであった。
私はペエジを繰る手先が震えて、何度も同じペエジばかり繰っていた。肝心の自分の詩のペエジを繰ることのできないほど慌てていた。やっと自分の詩のペエジに行きつくと、私はそこにこれまで見なかった立派な世界に、いまここにいる私よりも別人のような偉さを見せて、しかも徹頭徹尾まるで鎧でも着て坐っているように、私は私の姿を見た。東京の雑誌でなければ見られない四六二倍の大判の、しかもその中に自分の詩が出ているという事実は、まるで夢のように奇蹟的であった。私は七月の太陽が白い街上に照りかえしているのに眼を射られながら、どこからどう歩いてどの町へ出たか、誰に会ったか覚えていなかった。私はまるで夢のように歩いて、いつの間にか寺の門の前に来ていた。
私は室へ這入ると雑誌を机の上に置いて、あまりの嬉しさにしばらく茫然としていた。何を見るともない眼で、微笑をうかべたまま障子のそとの磧を見ていた。磧から大橋が見えた。通行人がたえず歩いて行った。私はそのとき初めて大橋をいま渡って来たことを、たしかに下駄の踏み工合で地面とは異っていたことを思い出した。