Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるあきのむらさきしきぶ

或る秋の紫式部

岡本 かの子

Leggi 或る秋の紫式部 (あるあきのむらさきしきぶ) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5007 caratteri · 11 schermate

Aozora Bunko

そうですよ、きっと、そうですよ」

老侍女「何とでも御想像になるのは御勝手ですが、一体、あなた様は何の御用でいらっしたのでございます」

妙な美男「御用と開き直られると困るんですが、若し伺えたら伺ってみたいのです。紫式部という方はどんな方ですか。世間の噂の通り、貞淑堅固の御婦人ですか、それとも内心には、ちっとは人の情熱に動かされ易い熱情的なところを持っていられますか。そのところを伺えると大変都合がいいんですけれど」

老侍女「どうでございますかわたくしには、……ただ、下々には思い遣りの深い良い奥様でございます」

妙な美男「それだけじゃ、何の足しにもなりませんね。もっと男女の愛情に対する性格を伺わなくっては」

老侍女「それほど御執心なら、あなたこそ直接に奥様にお会いを願って、ご自分でお見分けになったらいいじゃございませんか」

妙な美男(溜息をして)「とてもとても、そんな勇気が出ないのです。私には式部の作品を通して式部は相当、熱情的の方とは思われますが、しかし一方、ひどく鋭いところもあらるるようなので、実際臆病になっちまうのです。それでこんなにあの方をお慕い申していながら仲々お会いする勇気が出ませんのです。