Classici giapponesi con furigana
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あるりょうにんのざんぱい
或良人の惨敗
佐々木 邦
Leggi 或良人の惨敗 (あるりょうにんのざんぱい) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7067 caratteri · 15 schermate
と夫人は空嘯いた。
「分ったよ、お光、分ったよ。羽織を拵えてやると言って未だ拵えてやらないからだろう? 拵えなさい。明日にでも三越へ行くが宜い」
と鳥居氏は兄貴に故なくして二百円差出すものが妻の羽織に五十円吝んでいる矛盾を認めた。
「あの羽織はもう拵えましたわ」
「拵えた? いつ?」
「先月拵えましたわ。婦人会がございましたからね」
と夫人は落ちつき払っていた。
「それはお前の方が些っと誠意を欠きはしないか?」
と鳥居氏は又険悪な顔になった。夫人はプログラムに従って行動しているから常に冷静を失わないけれど、良人は方針が立たない。臨機応変に赤くなったり青くなったりするところは七面鳥に似ていた。
「あなたが何と仰有っても、婦人会は事実新柄の共進会でございますからね。然う/\同じものばかり着ては出られませんよ」
「そんなら断って拵えるが宜い」
「あなたも私に断って何かお求めになったことがございますの?」
「三十円以上の品物を買う時は兎に角必ず断ることになっているだろう? 俺は洋服を拵えるにも外套を拵えるにも一々お前に断っているよ」
「オホヽヽ」
「何を笑う?」
「何でも宜うございますわ。