Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せんじょう

戦場

夢野 久作

Leggi 戦場 (せんじょう) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.769 caratteri · 51 schermate

Aozora Bunko

「……よろしい。廻れエ、右ッ……整頓……。わからなければ今一つ尋ねる。ええか。……イッタイ吾々軍医なるものは何のために戦場に来ているのか汝等は知っているか」

「……………」

「……ただ自分達の負傷の手当のためにばかり来ていると思ったら大間違いだぞ。汝等のような売国奴同然の非国民を発見して処分するのが俺達、軍医の第一、第二、第三の責務である。負傷の手当てなどいうものは第四、第五の仕事という事を知らないのか! エエッ!」

そういう中にもバタバタと四五人卒倒した。歯の抜けたようになった一列横隊がまたも、アリアリと光弾に照し出された。

ワルデルゼイ軍医大佐は更に強く咳一咳した。声がすこし嗄れたせいか、口調が一層、深刻に冴え返って来た。傍に立っている私までも、気絶することを忘れて傾聴させられた。

「……ええか……よく聞け……軍医の学問の第一として教えられることは自傷の鑑別方法である。戦場から退却きたさに、自分自身で作る卑怯な傷の診察し方である。吾儕軍医はこれを自傷……略してS・Wと名付けている。すなわちS・Wの特徴は生命に別条のない手や足に多い事である。そんな処を戦友に射撃してもらったり、自分で射撃したりして作った傷は、距離が近いために貫通創の附近に火傷が出来る。