Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

たんていしょうせつのしょうたい

探偵小説の正体

夢野 久作

Leggi 探偵小説の正体 (たんていしょうせつのしょうたい) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3807 caratteri · 8 schermate

Aozora Bunko

しかし、それから後、探偵小説が代を重ねて発達して来たのであろう。筋の極めて簡単明瞭なものでもゾッとさせられたり、アッと云わせられたりするものが出て来た。トリックらしいトリックが一つもなくとも、探偵小説は成立するようになって来たから、必ずしも探偵小説、即謎々とは云い切れなくなって来た訳である。すくなくとも吾々が所謂探偵小説なるものの中に感じ得る魅力の中には謎々以外の沢山のものがある事は否定出来ない。

何度読んでも面白い探偵小説だの、最初から犯人を明示して在る探偵小説を、探偵小説でないと断言するのは少々乱暴ではあるまいか……。

或る人は探偵小説を一つの精神的な瀉血だと説明している。

吾々がこの血も涙も無い資本万能の、唯物科学的社会組織の中で、芋を洗うように……もしくは洗われるように押し合いへし合い、小突き合い、ぶつかり合って生活して行く間に感じた、あらゆる非良心的な闘争――生存競争そのものが生む、悽愴たる罪悪感……残忍な勝利感や、骨に喰い入る劣敗感なぞ……そんな毒悪な昂奮に鬱血硬化させられ続けている吾々の精神の循環系統の或る一個所を、探偵小説というメスで切り破って黒血を瀉出し、毒気を放散しようとしているのだ。