Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうきゅうしつのしちにん

撞球室の七人

橋本 五郎

Leggi 撞球室の七人 (どうきゅうしつのしちにん) di 橋本 五郎 (はしもとごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5589 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

その男はそう云ってちょっと頭をかいた。それからゲーム取りの方をチラと盗み見た。

「何処を見る? こら!」

係官は苦笑をしのびながら叱した。角帯の男の瞳には、その自分の権威なきみじめな様子を、想うゲーム取りに蔑んで見られはしまいかと云う馬鹿な危惧が、ありありと表われていたからである。

十七歳と云う美しいゲーム取りは、そうした感情には全然関係のないらしい、幾分は子供らしいおびえた様で警官の様子ばかりを眺めていた。

第四番目に取り調べられたのは禿頭の老人であった。これは商売人の隠居で、腰も低く、交番の巡査が相識の間であったから、一通りの訊問以外には何も訊かれなかった。

私には様々なことが訊ねられた。ぐぐぐぐと云う呻きの聞えた当初から、その時の七人の位置、ゲーム中の黒子の男の言葉、態度、面識、感じ、そんなものまでが細々と訊ねられた。

憎々しい相手ではあった。己れの勝に乗って、相手の技倆まで云々するような下品な黒子の男ではあった。が死者に対する礼――そうしたものを感じた私は、特に個人的なそんな感情まで答えることはしなかった。又、この事件では、それ程の必要はなかったのである。