Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ばんしゅうへいや
播州平野
宮本 百合子
Leggi 播州平野 (ばんしゅうへいや) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.683 caratteri · 214 schermate
またそこには、一人の女としてひろ子が体にからめて運んでいる面倒な事情も、おのずから影響していると思えた。
実の弟の家へ逗留しているというだけなのに、町の特高は、同じ頃そこへ用向で訪ねて来た客たちの関係までを、訊きただした。駐在は親切で、お客があるときも、その名と年とを書き出してくれさえすれば、すぐ応急米を渡すから、と小枝に云った。小枝はよろこんでそのとおりにした。特高が来て、どうして知っているかと思うようなつまらない名をいうとき、それはみんな、米とつながる姓名なのであった。どうでしょう! 小枝は、眉をもち上げて首をすくめた。
それらのあれこれに拘らず、ひろ子は網走へゆこうとしているのだった。
封筒につかう糊をとりに立ってゆくと、茶の間に、きき馴れない男の声がした。もう大分酔いのまわった高声で、
「はア、どうも、こういう超非常時ででもねえと、思い切ってこちらさアは来にくくてね」
行雄が、それに対して、おだやかに応答している。
「何しろ、もうこうなっちゃあ、酒でも飲むほッか、手はねえです。馬鹿馬鹿しいちゃ、話にもなんねえ。いかがです一杯――わしらの酒でも、はあ満更馬鹿にしたもんじゃない、純綿でやすって――ね、旦那、一杯。