Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ばんしゅうへいや

播州平野

宮本 百合子

Leggi 播州平野 (ばんしゅうへいや) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 106.683 caratteri · 214 schermate

Aozora Bunko

偶然、スパイの一人が特異体質の男で、変死した。事件の性質から、この裁判は全く復讐的なものであった。公判ではじめて内容を知ったひろ子は、支配権力の法律というものが、本来の性質である公正だの面目などをもはやかまっていられないほど、兇猛になっているのをその目で見たし、耳できいた。道理は常識が判断するのとは、全く逆につけられた。重吉に対しては、ことさら苛酷で、同一の事件、同一の立場、経歴においては却ってより軽い重吉ばかりが、数人の同志たちの中で、一人だけ無期懲役を宣告された。一個の姓名のわきに、書き並べることが出来るかぎりの罪名がつらねられた。ひろ子には、その一つ一つが、重吉の躯をしばって一足ごとに重い響を立てる鉄の鎖の環の数として、その重みとして感じられた。事実をとりあげて、社会生活の歴史の中におこった一つの現実としてみれば、そこに何一つ犯罪らしいことは行われていなかった。政治的なたたかいの方法において卑劣であり、非道義的な腐敗を示したのは、スパイと、それを飼い、計画を与えた権力者たちの行動であった。人生に経験は浅いかもしれないが、それだけ無私に社会の不合理を改善しようと熱中する若者たちの試みは、歴史の当然の足どりであるものを罪人にするそもそもが、ひろ子には、納得しかねた。