Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぎじしんねん

擬似新年

大下 宇陀児

Leggi 擬似新年 (ぎじしんねん) di 大下 宇陀児 (おおしたうだる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4694 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

だから、教養の高い人ほど、「お」を使うことが上手である、と私は話し、なお続けて、だいたいは、外来語の片仮名のものには「お」をつけぬのがよいと述べた。

おビール、おサイダーなどは、女性が言う限りに於て、もう日本語になり切つていて、べつにへんだとは思わない。

が、女性が好んで使うトイレツトなど、オトイレツトじや吹き出してしまう。オエレベーターは舌を噛み、オテレビジヨンだと、テケレッツのパーとつけたくなる。

かくの如くして、私のお談義は、長くなつた。

卓上のバナナは、いの一番に皮だけになり、栗の皮が散乱し、長火鉢の炭も燃えつきて、冷えた茶は、もう色がなく、茶碗へ注ぐと音が高くなつた。

あつぱれ我娘は、中学三年である。

「わかりましたお父さま。でも、オムレツはいいでしよう?」

私は、ぎやふんと参つた。

そのつもりがあつての発言ではなかつたろう。が、図らずも虚を衝いた。

「うん、そうだつたな」私は答えて、この敬語の講演をぴたりと止め、そこで外来者も、ほつとした顔で、まだ外は人通りがあるうちに、帰つて行くことができたのであつた。

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