Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Leggi 支倉事件 (はせくらじけん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 204.697 caratteri · 406 schermate

Aozora Bunko

「支倉、この髑髏をよく見ろ」

石子は支倉の眼の前に気味の悪い頭蓋骨をつき出した。

「これは何だ」

支倉は叫んだ。

「分らないか。この髑髏の歯を見てみろ。之はお前に殺された小林貞の骸骨だ」

「え、え」

支倉は恐怖の色を現わして顔を背向けようとした。

「おい、何もそう恐がる事はない」

渡辺刑事は石子から髑髏を受取りながら、

「お前の可愛がった女の骨じゃないか」

未だ深夜と云う程ではない。けれどもこゝは聞くだに恐ろしい刑事部屋で、あたりは寂としている。それに荒くれた刑事達に取巻かれて、髑髏を眼の前につきつけられたのであるから、流石の支倉もギョッとしたに相違ない。もし彼が小林貞を殺していたとすると、いかに恐怖を感じたであろうか。想像するに難くない。

然し、強胆な支倉はチラと取乱した姿を見せただけで、忽ち元の憎々しい人を人とも思わぬ態度に帰った。

「そんなものは俺は知らない。貞を殺したなどと飛んでもない事を云うな」

「貞の屍体は大崎の古井戸から出て来たのだがね」

根岸は静かに云った。

「君はその時に見に行ったそうだが、どんな気持がしたね」

「大崎の古井戸から女の屍体が上がった事があった。