Classici giapponesi con furigana
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はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Leggi 支倉事件 (はせくらじけん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 204.697 caratteri · 406 schermate
前にそんな事が分るものか」
「だ、黙れ。き、貴様等は俺の出す手紙を一々検閲するではないか。俺の注文書を読まなかったか」
「成程」
「俺は事明細に認めて郷里の紺屋に注文したのだ。それを刑務所の役人は読んでいる筈だ。着て悪いものを注文すると思ったら、何故その時に注意せぬ」
「成程、之は一本参った」
「出来てから取上げるとは、みす/\俺の懐中を痛めるのではないか」
「うむ、お前の云う所は尤もだ。よし/\も一度聞いてやろう」
気さくな看守で、彼は鳥渡支倉の説に共鳴したと見え、上役の所へ帰って来た。
「支倉は注文する時に止めないで、出来てから取上げるのは不都合だと呶鳴っていますが、どうしましょう」
「どうしましょうたって、これを許して着せる訳には行かん。成程、注文書に気がつかなかったのは我々の手落だが、気がついた所でまさか注文の時に干渉も出来なかったろう。何でも好い不許可にして終え」
「そうです。じゃ、そうしましょう」
こんな事で折角支倉が楽しんでいた法廷の晴衣も結局着て出られない事になった。
之は支倉が神聖なるべき公判をどう云う風に見ていたかと云う事が分る一つの面白い挿話だが、要するにあれもこれも彼が死刑から逃れようとする果敢ないきなのだ。