Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はせくらじけん
支倉事件
甲賀 三郎
Leggi 支倉事件 (はせくらじけん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 204.697 caratteri · 406 schermate
小川町から駿河台下に通う電車通り、空はドンヨリとして、どちらかと云うと雪催いの鬱陶しさだったが、今宵は十五日で職人の休日でもあれば、五十稲荷の縁日でもあり、割合に人通りがあった。
所がヒョロ/\と右の酔っ払い、対手欲しげに俗に云う千鳥足でよろめいていたのを、通行人は眉をひそめて避けて通ったが、出会頭にぶつかったのが、洋服男の不運だった。
「な、何だと、俺の方から突当ったと。人を馬鹿にするねえ。俺は酔っているんじゃねえぞ」
尚も管を巻くのを、洋服男は堪えかねて上衣を掴んだ手を振りもぎると、酔払いはよろ/\とよろめいて危く転びかけたが、やっと踏み止まると、さあ承知しない。
「おや、味な真似をしやがったな。こん畜生! どうするか見やがれ」
彼は洋服男に武者振りついた。
周囲はいつか見物の山だった。が誰一人手を出そうと云う人はない。顔をしかめて苦々しげに見ている人もあれば、ニヤ/\しながら面白そうに眺めている人もあったが、仲裁に這入ろうと云う人はなかった。
所へ通りかゝったのは石子刑事だった。彼は岸本の報告を受取って、今朝から本所に出かけ尋ね廻ったけれども、目的の町には勿論どの町にも大内などゝ云う写真館は見当らなかった。