Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はせくらじけん

支倉事件

甲賀 三郎

Leggi 支倉事件 (はせくらじけん) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 204.697 caratteri · 406 schermate

Aozora Bunko

ているのに気がつかないと云う筈がないじゃないか」

「そうでしたね、私はやられたんだ!」

「ふゝん、奴は暗室の中から覗いてたのさ。君の素性を見破るのと、俺に一日暇を潰させるのと、一挙両得と云う訳さ」

「どうもすみませんでした」

岸本は詫った。

「素人だから仕方がないや」

石子は苦笑した。

「そりゃ、あなた無理ですわ」

きみ子が傍から取りなした。

「そこで吸取紙の方だが、君は何かい、奴が外へ出る、君が二階へ駆け上る、そして一番初めに吸取紙を見たかい」

「いゝえ、抽斗やなんか探してからです」

「屑籠は見なかったかい」

「屑籠と、あゝ、見ました見ました」

「その時に封筒はなかったろう」

「ありませんでした」

岸本は我ながらあきれたと云う顔をした。

「それ見給え。奴は帰ってから封筒を囮に投げ込んだのだ。すると待てよ」

石子はじっと腕を組んだ。岸本は心配そうに石子の顔を見上げた。

暫くすると、石子は元気よく云った。

「そうだ、大分分ったぞ。吸取紙の方は本物なのだ。流石の奴もこいつはうっかりしていて気がつかなかった。所が吸取紙を見られた形跡がある。そうだろう君、吸取紙は位置を動かしたんだろう」