Classici giapponesi con furigana
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しなまいのふくろ
支那米の袋
夢野 久作
Leggi 支那米の袋 (しなまいのふくろ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.357 caratteri · 50 schermate
それあ日本が亜米利加と戦争を初めそうだっていう事は、ズット前から聞いているにはいたけれども、ヤングの話はあんまりダシヌケ過ぎて、どうしても本当とは思えなかったんですもの。だから、
「あんたは妾を捨てて行こうとするのだ。何でもいいから妾はあんたを離れない。一緒に軍艦に乗って行く」
……って云って死ぬ程泣いて泣いて泣いて泣いて何と云っても聴かなかったの。しまいには首ッ玉に獅噛み付いて、片手で軍服のポケットをシッカリ掴んで離さなかったの……。
ヤングは本当に困っていたようよ。軍服の肩の処に顔を当ててヒイヒイ泣きじゃくっている妾を膝の上に抱き上げたまま、暫らアくジッとしていたようよ。けれどもそのうちにフイッと何か思出したように私の顔を押し離すと、私の眼をキット睨まえながら、今までと丸で違った低い声で、
「ワーニャさん。いい事がある」
って云ったの。私はその時、何だかわからないままドキンとして泣き止みながらヤングの顔を見上げたら、ヤングは青白――イ、気味の悪い顔になって、私の眼をジ――イと覗き込みながらソロソロと口を利き出したのよ。前とおんなじ低い声でね……。