Classici giapponesi con furigana
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しなまいのふくろ
支那米の袋
夢野 久作
Leggi 支那米の袋 (しなまいのふくろ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 25.357 caratteri · 50 schermate
「惜しいもんだなあ……ホントニ……おやじせえウンと云えあ、布哇へ着くまで散々ぱら蹴たおせるのになア」
「馬鹿野郎。布哇クンダリまで持って行けるか。万一見つかって世界中の新聞に出たらどうする」
「ナアニ。頭を切らして候補生の風をさせとけあ大丈夫だって、ヤングがそう云ってたじゃねえか」
「駄目だよ。浦塩の一粒選りを十七人も並べれあ、どんな盲目だって看破っちまわア」
「それにしても惜しいもんだナ。せめて比律賓まででも許してくれるとなア」
「ハハハハまだあんな事を云ってやがる。……そんなに惜しけあ、みんな袋ごと呉れてやるから手前一人で片づけろ。割り前は遣らねえから」
「ブルブル御免だ御免だ」
「ハハハ見やがれ……すけべえ野郎……」
そんな事を云い合っているうちに一人がマッチを擦って葉巻に火を点けたようなの。間もなく美い匂いがプンプンして来たから……。
だけど妾はそのにおいを嗅ぐと一緒に頭の中がシイーンとしちゃったの。身体が石みたように固くなって息も吐けない位になっちゃったの。……だって妾みたようにしてこの軍艦に連れ込まれた者は、妾一人じゃないことが、その時にやっとわかりかけて来たんですもの……。