Classici giapponesi con furigana
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ほうろうさっかのぼうけん
放浪作家の冒険
西尾 正
Leggi 放浪作家の冒険 (ほうろうさっかのぼうけん) di 西尾 正 (にしおただし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.694 caratteri · 33 schermate
ところへ山高帽をかぶった黒服のでっぷりふとった男が、官服の巡査ともども、たいへん紳士的な、ものやわらかな物腰ではいってきて、巡査にみはらせておいて自分はなにをするかと思ったら、部屋じゅうの押入れをひっかきまわし、売っても値にならないために詮方なく鼠のかじるのにまかせっぱなしのわずかばかりのおれの蔵書を、てあたりしだいにひんめくった挙句
「ほかにもう隠し場所はありませんかね」
ときた。ないと答えると、まだ疑わしそうな顔をしていたが、
「食事を終えたら、ではそろそろ、でてくれたまえ」
といい、ポケットからふとい葉巻をつまみだしてぷいと口をかみきると、隅のがたがたベッドにずしんと腰をおろして、紫のけむりをはきながら、にやにやわらっている。こうしておれは至極順調に、Q署の留置場にほうりこまれてしまった。
留置場で、ごろつきや窃盗やよっぱらいといっしょに、取調べはまだかまだかといらいらしながらまっていると、官服私服の刑事や巡査がいれかわりたちかわり首をだして、
「じゅあん、君のロマンはおもしろいぞ。くだらんものはかくのをやめにして、ひとつ本格的にいったらどうですかね」