Classici giapponesi con furigana
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
Leggi 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.671 caratteri · 149 schermate
にしても、毒と知りつつその椀に箸をつけた以上、彼女も生きる気はなかったに相違ない。みね子が椀を取りかえたのは、給仕の女中ばかりでなく近子自身も認めている。そこへあたかも山椒の魚の問題が起こったので、事件はひどくこんがらかったのですが、それは一種の余興にすぎないことで、毒草事件とは全く無関係であるということが、後でようやく判明したのです。近子は遠山と二人の友達との関係をよく承知していたらしいのですから、初めに早くそれを言ってくれると、もう少し早く解決がついたのですが、あくまでも秘していたものですから、その取り調べが面倒になってしまったのです。遠山もそうです。初めに早く白状すればいいのですが、これもなるべく隠そうとしていたものですから、警察にも余計な手数をかけたわけです。それでも遠山は兼子との関係をとうとう白状しましたが、みね子との関係は絶対に否認していました。どっちが本当だか判りませんよ。」
「しかしそれだけ判れば、あなたの御通信には差し支えないでしょう。」
「ところがいけない。実は馬鹿を見ましたよ。」と、かれは不平らしく言った。「学校の方では勿論、死んだ二人の遺族の者も、この秘密をどうぞ発表してくれるなと、警察の方へ泣きついたものですから、表面は単になにかの中毒ということになってしまうらしいのです。