Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いけぶくろのかい

文藝別冊[総特集]岡本綺堂

岡本 綺堂

Leggi 文藝別冊[総特集]岡本綺堂 (いけぶくろのかい) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 72.671 caratteri · 149 schermate

Aozora Bunko

三蔵 そのうちに角さんは倒れたままで起きないので……。

和吉 (ひったくるように。)よくよく見ますと、若旦那はほんとうに腹を切っていたのでございます。(声をふるわせる。)わたくしも実にびっくり致しました。

おさき でも、その刀はほん物の刀じゃあるまいが……。

与兵衛 そうだ、そうだ。芝居で使う銀紙の竹べらで、ほんとうに腹を切る筈はないではないか。

和吉 それがどうも不思議でございます。

与兵衛 損料屋さん。(詰るように。)おまえさんの持って来た刀は本身かえ。

五助 (あわてて。)ええ、飛んでもねえ。なんで本身なんぞを持って来るものですか。わたしが若旦那に渡したのは確かに舞台で使う金貝張りに相違ないのですが、それがいつの間にか本身に変っていたので、こんな騒ぎが出来してしまったのです。

与兵衛 いつの間にか本身に変っていた……。

おさき まあ、どうしたんでしょう。

与兵衛 それがどうも判らないな。

五助 まったく判りませんよ。

与兵衛 判りませんで済むものか。なんにしてもお前さんが係り合いだから、そう思ってください。

五助 でも、旦那……。

与兵衛 ええ、いけない、いけない。